使用するサービスやプランによって学習レベルや能力に差異はありますが、2024年11月時点で、AIは数秒から数分で長文を生成することができますが、人間が同じ量の文章を書く場合に比べて圧倒的に速くて太刀打ちできません。

また、AIは文章だけではなく、画像も生成できますが、人間が、画像の加工作業をする場合、ちょっとした内容でも数時間から数日を要することがあります。しかし、AIは十数秒程度で複数のパターンを提示することができます。

仮に、AIが生成した画像の細部を見れば違和感があっても、多くの人がそれに気づかないか、気にしないと予想できます。そのため、人件費や外注費を抑えられるなら、生成AIの利用は魅力的に感じるはずです。

AIが生成する文章

AIには、「ハルシネーション」と呼ばれる、誤認や論理の矛盾によって事実に基づかない情報を生成する問題があるため注意が必要ですが、AIが生成する文章は、人間が説明文を書くよりも端的で、読みやすいと感じます。

しかし、現時点では、AIが生成する文章は学習した結果から要約されたような内容になりがちで、文章には「個性」はないようにも感じます。

個性とはなんだろう

デジタル大辞泉では「個性」とは「個人または個体・個物に備わった、そのもの特有の性質」と説明されています。となると、この文章も、僕が生まれてから今日までの経験によって形作られた「個性」が影響をして生み出されているのだろうと考えることができます。

読まれる文章とは

何かを説明する場合、人間が文章を書いても、AIが生成しても伝わることに差異はありません。そうであれば、文章は生成AIに任せた方が効率的な気がします。

ただ、ある人が書いた文章を「コンテンツ」として考えた場合、やはりその人が書かないと文章としての面白さがなくなってしまうのだろうと感じています。「ある作家が書くエッセイが面白い」「あるWebメディアの執筆者が書く文章が面白い」と思われることが重要になる気がします。

それが、現時点での唯一の生成AIへの対抗策だと感じます。

ただ、現在の技術革新では、数年後にはすでにこの世にはいない作家の新作小説を生成AIが生み出すかもしれません。でも、それはあくまでも、学習から得た情報によって似たような文章を生成した結果であって、作家自身の「個性」は含まれていないはずです。

それでも、その作家が生きていたら生み出したかもしれない新作を読みたいと考えるファンがいるかもしれないと考えると、なかなか複雑な気持ちになりますし、倫理的にも非常に難しい問題です。

個性を必要としない文章とは

説明文、マニュアル、議事録、文字起こしなどは個性を必要としないため、AIによる文章の生成に置き換えられていく可能性はありそうです。

また、血液型占い、星座占いなど、素人には分からないもののある種の規則性があるのであれば、生成AIはものの数分で365日分を用意できるのかもしれません。

その結果、占い師やライターが仕事を失う可能性があります。同じような危機感として、Webサイト制作、プログラミングの知識がない方でも、AIの支援によってWebサイト制作ができる可能性を感じています。

2008年頃から、制作業務としてサブスクリプションサービスで毎月100点以上の写真素材がダウンロード可能な素材サイトを利用していますが、欲しい時にイメージに合う写真素材がすぐにダウンロードできるため、デザイン案制作での負担が軽減しました。

ただ、それにより、カメラマンへの依頼が激減しており、きっと、サブスクリプションサービスの登場で仕事が激減したカメラマンなどがいるのではないかと感じています。

AIの登場により「自分の仕事が無くなるのでは…」と危惧していますが、自分が気がついていないだけで、新しいサービス、新しい技術の登場により、人知れず消えていった職種や職業が存在しているはずです。

AIは人間の仕事を奪う!」と悲観的、否定的にならず、常に時代の変化を感じ取りつつ、現状の中でどう考えて、どう動いていくかを模索していく必要があると感じています。

まとめ

商業デザインやプログラム、AIが生成した文章や画像など、世の中には誰が作ったかが意識されない制作物が溢れていますが、ある制作物に作家の制作者の名前が付与されることで、ブランド的な価値が生まれると感じています。

昨今、人手不足などから、業務を属人化から標準化へと見直す動きがあります。しかし、全てのものが標準化されるわけではなく、著者の個性がないと生まれなかった制作物は、これからも生き残り続けると信じています。AIの生成が一般化した社会では、AIに駆逐されないために「制作物の個性(属人化)」が必要になるのかもしれません。

そして、なにより、この文章が、僕が今まで生きてきた経験などで形成された個性によって書かれており、この文章に出会った方にとっての「コンテンツ」であってほしいと願って止みません。

ただ、人間はすぐに楽を求める生き物のため、数年後には僕の個性を学習した生成AIに丸投げしている可能性は否定できませんが…

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2004年よりWebサイト制作に携わり、2010年から山口県山口市にて、Webサイトの制作、更新を専門とする個人事業主として制作業務を行なっております。

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