我が家が本格的にキャンプを始めたのは世間のキャンプブームの例に漏れず、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大が始まった2020年からでした。
それ以前もタープを持ってデイキャンプの真似事みたいなことはしていましたが、4人以上で利用できるテントはかなり高額だったこともあり、なかなかキャンプを始める気持ちが盛り上がりませんでした。
しかし、コロナ禍になったことで、気軽に旅行に行ったり、外出ができなくなったことで、周囲と一定の距離が維持できる野外活動(アウトドア・アクティビティ)としてキャンプを楽しむようになりました。
苦戦だらけのキャンプデビュー
キャンプデビューは2020年7月に山口県山陽小野田市にある江汐公園キャンプ場でした。
ゆっくりできる環境づくりが大切だろうと考えて、我が家ではキャンプ場に着くとすぐにテントの設営から始めますが、キャンプデビューでは、テントの設営ですでに苦戦しました。
実際にやってみないと分からない
テントの設営が難しい
事前に説明書やYouTubeの紹介動画で確認済みだったとはいえ「この部分は力いっぱい引っ張っても良いのか?」「この部分は力任せに曲げて良いのか?」などが分からずに右往左往しました。
もちろん説明書を読んでおくのは大切ですが、説明書を読んで理解するのと、実際に設営するのでは全く感覚が違うことを痛感しました。
荷物の選別がよく分からなかった
忘れ物があってはいけないと車のトランクがパンパンになり、後部座席も座るのがやっとなぐらいぐらいに隙間という隙間にものを詰め込んで持って行きました。
もちろん、ペグ、タープ、ポールもしっかりと持っていきましたが、
- ハンマーを忘れたため、ペグが深くまで刺せない
- キャンプサイトが少し狭くて、テントを設営するとタープが張れない
などがありました。忘れ物をしないように、大量の荷物を持っていったはずが実は必要なかったり、実際にキャンプをしたことで、あれば便利だったもののに気が付くきっかけになりました。
夏のキャンプはとにかく暑い
不慣れ、荷物の不備だけではなく、全くもって当然の話ですが、夏は気温が高く、それだけで大きな問題になりました。
全てのことは「不慣れ」の一言に尽きるのですが、テントの設営や撤収では汗だくになり、熱中症対策として定期的な休憩が必要になりました。そのため作業効率が悪くなり、キャンプ自体を楽しむ時間が少なくなりました。
とにかく虫が多い
キャンプは自然の中で楽しむアクティビティのため、どうしても蚊やアブなどに遭遇しやすくなります。
対策として、虫よけスプレーを利用しますが、少し動くだけで汗だくになるため、長時間の効果が期待できないような感覚がありました。
キャンプをする時期をずらす
そんなこともあり、2020年にキャンプデビューをしてから数年が経過した頃からキャンプは夏を避けて、秋冬に楽しむようになりました。
夏から秋冬のキャンプに変更したことで「虫が少ない」「暑くない」と、それまで感じていたキャンプへの不満が一気に解決しました。しかし、それで「めでたしめでたし」とはいかず、秋冬のキャンプでは、夏のキャンプとは異なる問題が待っていました。
冬のキャンプはとにかく寒い
説明をする必要がないぐらいに当然の話ですが、秋冬のキャンプはとにかく寒いです。そのため、いかに快適な温度を維持するかが課題になりました。
とにかく着込む
見た目なんか気にしている場合ではないので肌着、半袖Tシャツ、長袖Tシャツ、パーカ、難燃性ウェア、軍手、手袋、ニット帽ととにかく着込みます。テントの中も寒いので、テント内では靴下の上にもこもこ靴下を履き、シュラフの中にカイロを入れました。
電源が使えるキャンプサイトを利用する
キャンプで使用する小型ストーブは魅力的ですが一酸化炭素中毒への恐怖から、電気毛布や電気ヒーターを利用しています。
ただ、キャンプ場で利用できる電源は一般家庭と異なり、利用できる電気容量が制限されている場合があります。そのため、ひざ掛けに利用するような省電力タイプの電気毛布を利用しています。
電気毛布はマットとシュラフ(寝袋)の間に敷いて利用しますが、グランドシートやマットを敷く、シュラフの中にカイロを入れるなど様々な対策を併用した場合は、電気毛布の出力を「弱」でも朝まで快適に過ごすことができます。
荷物が大幅に増加する
2人でのキャンプの場合、セダンタイプの車でもトランクや後部座席を利用すれば全ての荷物を積み込むことができますが、家族4人でのキャンプの場合、防寒具、マット、冬用シュラフ、毛布などで大幅に荷物が増えます。
しっかり考えて持っていくものを準備をしないとミニバンでも全ての荷物が積み込めない事があります。
荷物が元の大きさに戻らない
また「キャンプあるある」ですが、撤収の際に最初は全ての部品が袋に入っていたはずなのに、テントやポールが同じように折り畳んでいるはずなのに元の大きさに戻らずに袋のチャックが閉じられなくなることがあります。
出発時にすでにギリギリの状態で車に積んできたのに、撤収時に荷物の大きさが元に戻らず、積み込みがさらに大変なことになることがよくあります。あり過ぎます。
そこで我が家では、キャンプ場を選ぶ際はゴミの回収を行っているか、ガス缶、薪など消耗品を販売しているかを確認し、少しでも帰りの荷物の減少するように、また、消耗品が現地で調達できるかなどをしっかり確認するように心がけています。
たまには特別感のあるキャンプにする
キャンプサイトよりは高くなりますが、たまにはハットやケビンを利用することで、持って行く荷物を大幅に減らしつつ、「いつもとは違うキャンプ」を楽しむことができます。
大原湖キャンプ場のケビンは台所、炊飯器、乾燥機、冷蔵庫、テレビ、エアコン、2段ベッド、風呂、トイレが完備されており、キャンプというよりも旅行に行く際の荷物量で出かけることができます。
手を抜くキャンプを心がけています
Instagramなどを見ていると手間暇をかけたキャンプを楽しんでいる方を見かけますが、心の底から尊敬の念を禁じえません。我が家もそんな方々の影響を受けて、キャンプを始めた頃は「BBQをする」「マシュマロを焼く」「コーヒー豆を挽く」とやりたい事と荷物が多い状態でした。
しかし、設営に時間がかかり、設営後はだらだらと過ごプし、気が付くと晩御飯の時間になっていたりと、頑張って持っていったのに全く使わないままの荷物だらけのキャンプになっていました。
キャンプはとにかく忙しいのです。
そこで、今では「ゆっくりと過ごす」ことを優先して、食事は昼食はカップ麺、夕食はレトルトカレー、翌日の朝食は菓子パンなどと「撤退的に手を抜くキャンプ」を実践しています。
キャンプは面倒くさい
正直にいうと、キャンプは面倒くさいです。僕はキャンプより自宅の方が大好きです。
車に積み込めないほどの荷物を積み込み、自宅と比べて快適とは言えないキャンプ場に出発します。キャンプ場に着いたらすぐに設営に取り掛かります。何より、キャンプ中に使える時間のうち、3、4時間は設営と撤収に消えるため、ゆっくりできる時間はそこまで多くありません。
キャンプから自宅に帰ってきたら、車にパンパンに積み込まれた荷物を下ろす、ゴミを分別して捨てる、着替えを洗濯する、天候によりテントが濡れている場合は庭に広げて干す、などやることだらけで、全くのんびりできません。
自宅より快適ではないキャンプ場で過ごす…これは全く矛盾した行動のように感じます。それでもキャンプに行くのは、
- 椅子に座ってコーヒーを飲む
- 薪の燃える音、薪が燃える匂い、
- 他のキャンパーがキャンプを楽しむ音
- 外で食べるカップ麺の美味しさ
と、日常生活では体感できない五感を刺激する感覚を体験することができます。そして何より、キャンプから帰ると「やっぱり自宅の方が落ち着く」と自宅の快適さ、利便性を今まで以上に実感することができます。
まとめ
Instagramなどの写真に影響を受けて、おしゃれなキャンプを目指そうとするのは決して悪いことではありませんが、結果として、荷物量が多くなることがあります。
また、キャンプサイトをおしゃれに飾り付けをしたつもりでも、どんなに頑張って撮影しても、同じようなキャンプギアなのに、同じような構図なのに、Instagramで見かけたようなおしゃれな写真にならず、悲しくなることがあります。
そこで、我が家では徹底的に「手を抜くキャンプ」を実践し、肩の力を抜いて、キャンプ場でポケモンを捕まえたり、携帯ゲーム機で遊んだり、自分たちらしいキャンプを楽しむことを心がけています。
皆様が自分らしいキャンプが楽しめることを願いまして。